2008-10

月見草

夕暮れが
だんだんだんだん
暗黒に染まり始める頃
地上に生える
無数の月見草の
黄色が映える
その輝きが
空に輝く月を待っている
地上に落ちる事を
そして流星が落ちる事を

ゼロワンの奴隷

デジタルに支配されている
今日もゼロワンの羅列のロジックに
埋もれながら生活している
ロジックに支配されながら
心もそして
本当はアナログであるはずの肉体も
ゼロワンに満たされようとしている

オレはロボットじゃねー!
オレはアンドロイドじゃねー!
なんて叫んでも
体がゼロワンの世界を欲している
ほら・・・・・・
現にそう叫んでいるいまだって
ゼロワンの世界
ネットに繋がって
何かを発信しようとしてるじゃないか!

オマエはもう
アナログに帰れないじゃないか!
そんな言霊がネットワークを通じて
頭蓋骨にそして脳髄に
命令している
そしてゼロワンのマリオネットとなって
この今もこの先も
何かを生み出そうとしている
そしてその生み出した言霊は
ゼロワンの食料となって
また地球上を駆け巡り
この肉体に指令する
もっとオマエの全てを提供しろと

平行線

永遠に交わらない平行線が
ボクの周りに続いてる
平行線に続いてるので
その平行線に飛び込む事は出来ない
平行線の中身はなんだろう?
どんなワールドがその中にあるのだろう
幸せなボクが
平行線の中にいるかも知れない
不幸なボクが
平行線の中にいるかも知れない
そんな平行線とともに
ボクは今を流れている

答えさがし

空が空であるためには理由がある
海が海であるためにも理由がある
存在するものは存在するために理由がある
その理由をひとつひとつ紐解くために
ボクは生かされているんだと思う
昨日はその答えを
一つ位は見つけただろうか
今日はその答えを
一つ位は見つけただろうか
明日はその答えを
一つ位は見つけられるだろうか
そうやってボクの中を時間が透過してゆく
命が終わるタイムリミットまで

まっすぐに進もう

不器用かもしれない
まっすぐに
まっすぐに
進んでいけば
いつか自分のイチバンが
見つかるかもしれない
障害もあるだろう
妨害もあるだろう
邪魔もあるだろう
後退を余儀なくさせる事もあるだろう
けどまっすぐしか進めない人間は
まっすぐいくしかない
単純バカかもしれない
けど人の人生を踏みにじって
謳歌を生きる人間よりも
本当の人間らしいじゃないか
だからまっすぐに進む
それしか出来ない人間だから

灰色の扉

世の中には一つだけ真実の扉がある
そしてもう一つ
世の中には虚偽の扉がある
そしてその周りには
灰色の扉がたくさんある
人間は決して真実の扉にも
虚偽の扉にも手をかける事が出来ない
出来るのは
真実かもしれない虚偽かもしれない
そう思い込んでいる
灰色の扉だけだ
何故か・・・・・
人間にはその人の生活パターンによって
出来上がった
その人なりのモノサシがあるからだ
そのモノサシはその人によって
赤色であったり青色であったりする
そして灰色の扉に手をかけて
今日も己自身が真実だと
身近で・・・そして世界中で
戦火を上げる・・・
灰色でしかない
真実と偽りの扉をめぐって

幸せの前兆

人は恨んじゃいけない
憎んじゃいけない
理由のない恨みを受けた時
その分だけ幸せがやってくる
足音の前兆かもしれない
理由のない憎しみを受けた時
その分だけ人から愛される
将来がやってくるかもしれない
だからそんな
マイナスなものに同調せず
余裕も持って
その先に訪れる何かを
両手を広げて待っていよう
ボクの未来は輝いているんだよって

台風

沖合いから台風がやってくる
去年は日本最多の上陸数だった
今年もその記録に迫るのだろうか
そんな予感のオープニングの台風は
南の海上からゆっくりゆっくり
日本の様子を窺っている
異常気象によって増えた台風は
無益に投入される公共事業への
警告として
構造物で塗り固められた
山々を川を海岸を強引に
もとの自然の姿に
戻そうとしているのかも知れない
その警告に気付かずに今日も人間は
たくさんの自然を傷付ける
けど文明の恩恵に授かった子羊は
もはや傷付ける事でしか
己の存在意義を
見出せない様になってきている
そんな子羊達は
いつか皆自然の脅威に
復讐されるのだろうか
太古に沈み伝説でしか残らない
アトランティスの民のように

たったひとつ

たったひとつ
たったひとつあればいい
大切に思えるものが
そんな思いが
このボクを支える糧となって
前進するエネルギーに
変えていけると思う
けどそのたったひとつを
探すのって
簡単なようで
結構むつかしい
結局そのたったひとつを
探すために
広大な時間の流れを
今日も旅しているのかもしれない

深い青空

青空が深い
深い青空の底から
紫外線の矢が降ってくる
青空を深くしたのは
エゴによって
地球を傷つけ
オゾン層を破壊した
人間の罪?
そしてその紫外線によって
被爆して
肉体を傷付けるのは
人間の罰?
そしてその罰を受けながら
ボクは今日を生きる
ボクも地球を傷付ける
罪の分子として

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マッコウクジラ

マッコウクジラ

『気まぐれ文学館』
・第15回,16回短歌現代新人賞 佳作
・第47回角川短歌賞 最終予選通過
・H15年度 歌壇・歌壇発新星36人 一年連載
他・・・
現在は当ブログにて地道?にゲリラ活動中・・・